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「EPSON SC-V1050」と「Roland DG BD-8」を徹底比較!小型UVプリンターの特徴や価格、印刷品質、対応素材を詳しく解説し、自社に最適な選択肢を分かりやすく提示します。導入検討中の方必見の記事です。

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【小型UVプリンター徹底比較】SC-V1050(EPSON) vs BD-8(Roland DG)

【小型UVプリンター徹底比較】SC-V1050(EPSON) vs BD-8(Roland DG)

UVプリンター市場において、近年エプソンやローランドといったメーカーの小型UVプリンターが大きな注目を集めています。小型ながら本格的なUVプリンターで、店頭でのプリントサービスや小ロット生産、試作、プロトタイプの製造に適したこれらの製品は、商品開発・デザイナーや小規模なプリント業者にとって不可欠なツールとなっています。
特に、2024年に発売されたばかりのEPSONのSC-V1050Roland DGのBD-8は、小型のUVプリンターの中でも注目度が高く、よく比較される2機種です。この記事では、これら2つの機種の特徴を詳しく比較し、どちらのUVプリンターがビジネスに適しているかを見ていきます。
初めてUVプリンターの導入を検討されている方におすすめの記事となっております。

1. 小型UVプリンターの需要と役割

1.1 小ロット生産とプロトタイピングの重要性

近年、ビジネスにおいて個別ニーズに応じたカスタムメイドの製品や、少量の試作・生産がますます重視されるようになっています。パーソナライズのサービスがビジネストレンドになり、多品種少量生産が求められるケースが増加しました。
そのような背景から、小型のUVプリンターは、多様な素材に印刷でき、カスタマイズが簡単で、品質を重視した製品作りに最適な選択肢となっています。

小ロット生産とプロトタイピングの重要性
2010年代後半からは特に、EコーマースやSNSの普及、顧客体験重視へのシフトなど社会的なトレンドから、製造業が中間業者を挟まず直接顧客へ販売するD2Cがビジネストレンドとなり、より商品開発のサイクルが短期間になり、試作プリントや少量生産を自社で内製化する流れが強まり、UVプリンターの需要はますます高まっています。
このようなビジネスニーズに応じて、EPSONのSC-V1050やRoland DGのBD-8といった小型UVプリンターが登場しました。
これらのUVプリンターは、いずれも高い品質と多様な用途に対応していますが、その中でもどちらがよりビジネスに最適か、次章以降で詳しく比較していきます。

1.2 店頭でのプリントサービスの需要

店頭でのプリントサービスの需要
たとえばハイブランドのコスメショップでは、店頭にUVプリンターを導入し、1500種類のデザインから選択し、名前を入れてリップスティックをその場でカスタマイズするサービスが人気を集めています。また、スポーツショップでも、UVプリンターでスニーカーにオリジナルプリントを施すサービスが流行しています。
このような店舗でのカスタマイズニーズに応えるため、小型UVプリンターが大いに活躍します。

エプソンのSC-V1050やローランドのBD-8といった小型のUVプリンターは、コンパクトサイズで店内に設置でき、それぞれソフトウェアを活用することでデザイン選択や発注生産まで、店頭での迅速なサービス提供を実現できる機能を備えています。顧客は自分だけの特別な商品を手に入れることができ、ブランドの魅力を高める新たな体験を享受できるのです。

1.3 試作から数個の少量生産に最適なクラス

エプソンのSC-V1050やローランドのBD-8は、試作や数個~数十個の少量生産に最適なクラスのUVプリンターです。そのため、量産の際に重要なプリント面積や出力スピードで比較するのではなく、印刷できる素材や形状の多様性、印刷品質、サポート内容などでの比較が推奨されます。

生産性を求められるユーザー様にはこちらの中型・大型機種がおすすめです。


今回は小型機SC-V1050とBD-8の特徴を比較し、どんなユーザー様に適したプリンターなのかわかりやすくご説明します。

2. EPSON SC-V1050の強み

 EPSON SC-V1050の強み

SC-V1050の強みは、印刷範囲・低価格・メーカー認知度の高さの3つです。

① A4サイズまでの印刷が可能

SC-V1050はユーザーニーズが高いA4サイズまでの印刷が可能です。A4サイズであれば規定のアクリル板がそのまま収まるサイズのため、印刷のための事前カットなどの余計な手間が必要ありません。またスマホケースへの印刷時に3~4台を一気に印刷することが可能です。限られたスペースにも配置ができるコンパクトサイズですが、印刷サイズはグッズビジネスに適したサイズ感です。

② 低価格なイニシャルコスト

メーカー小売価格(本体代)990,000円(税別)と、国内メーカーが販売するUVプリンターの価格としては比較的安価であり、小規模事業者や個人事業主にとって手に入れやすい価格帯です。
さらに、インクタイプはC/M/Y/K/Wh/Gl(クリア)と、一般的なカラー印刷に加え、透明インクも使用できるため、特に装飾性やデザイン性を求める場面で力を発揮するUVプリンターです。

③EPSONの信頼性とサポート体制

EPSONは長年にわたりプリンター業界で実績を積んできたメーカーであり、誰でもその企業名を知っています。その信頼性やサポート体制もSC-V1050の強みの一つです。特に日本国内ではEPSONのサポート体制が整っており、安心して使用できる環境が整っています。

3. Roland DG BD-8の強み

 Roland DG BD-8の強み

BD-8の強みは、印刷性能・様々な素材への印刷・デザイン性の3つです。

① 安心の印刷品質

BD-8の最大の特徴は、その優れた印刷品質です。10年以上にわたってUVプリンターの開発に携わってきたRoland DGは色表現や高画質な印刷で特に高い評価を得ています。
SC-V1050と比較すると特に白インクの濃度が高く、画像でも細かいディテールや色鮮やかな仕上がりを実現できます。白インクの濃度が高いと、透明素材や黒をはじめとした濃色の基材への印刷品質が向上する効果があります。
さらに、インクの柔軟性が優れているため、さまざまな素材に対応可能です。
インクが柔軟であることは、割れにくさを向上させ、皮革やTPUなどの柔軟性が必要な素材に対してもしっかりと定着し、多様な商品開発を可能にします。

② 革製品・円筒など様々な素材に印刷可能

BD-8にはプライマーインクという素材とインクの密着性を高めるインクが搭載可能です。プライマーは市販でも販売されていますが、ひとつひとつの素材に手作業で塗布するよりも機械で自動的に処理できる方が効率的です。プライマーを使用することでインクが定着しにくい素材にも印刷することができ、様々なビジネス展開を可能にします。
また、オプションで円筒形の印刷も可能です。例えば、リップスティックなどのコスメティック製品のロゴ印刷や販促品としてのカスタムボトルなど、様々な用途で使用可能です。BD-8はオプション機能を活用することで、こうした円筒形のアイテムにも対応できる点が大きな強みです。

③ 2024年グッドデザイン賞受賞

2024年グッドデザイン賞受賞
2024年10月にBD-8は2024年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。BD-8はこれまで導入するのに敷居が高かったUVプリンターをサイズを小さくし、価格を抑え、より多くの人がクリエイションを楽しめるように開発された製品です。
「誰でも使える」「どんな環境にも馴染む」ことを考え、コンセプトが製品として丁寧に落とし込まれており、プロダクトとしても十分魅力あるデザインに仕上げられていると審査員から評価されています。

4. 小型プリンターは結局どっちがおすすめ?

SC-V1050 vs BD-8比較

商品 SC-V1050 BD-8
SC-V1050

BD-8
メーカー EPSON Roland
価格 990,000円(税別) 1,380,000円(税別)
保守点検回数/年 なし 1回/年
製品寿命 あり(上限22,550枚) なし
インクの定着 プライマーがないため、素材が限られる プライマーがあるため様々な素材に印刷できる。また、プライマーなしでもインクが高密着。
円筒形の印刷 できない できる
グッズプリンターの実績 2024年10月にSC-V1050を発売。 2011年にLEF-12を発売。

4.1 立体物への直接プリント可能なUVプリンターの歴史

EPSONは大判水性プリンター市場の3割を占める大手のプリンターメーカーですが、新たな市場開拓として今回2024年10月にUVプリンター『SC-V1050』、DTFプリンターを発売しました。
それに対しRolandは2011年から『LEF-12』というグッズ制作用UVプリンターを販売しており、10年以上の販売実績があります。2024年1月に発売された『BD-8』は今まで販売してきた中型機や大型機の性能をそのままに、省スペースでも活用できる小型サイズに作られたUVプリンターです。
そのため、SC-V1050とBD-8の2機種を比較した際に、弊社が初心者のお客様に安心しておすすめできるのはBD-8です。
EPSONはメーカーとしても大手でサポートも充実していますが、新規市場開拓された初代プリンターには予期できないエラーも多く、発売から日も浅いため弊社でも対処方法が把握できていません。
SC-V1050はサイズ感や価格帯もお手頃なためお問い合わせを多く頂いておりますが、UVプリンターの販売年数が長いRolandのBD-8をおすすめしています。

4.2 高品質なインク

BD-8をおすすめするもう1つの理由は、印刷クオリティの高さです。
弊社での販売実績の中でBD-8を使用されているユーザー様が、『プライマーなしでも高密着なインク』に驚かれていました。前述の通り、柔軟性の高いインクのため、様々な素材に定着できるというのが特徴です。
【参考】導入インタビュー:株式会社SELECT D様
また、印刷時に重要なのがインクの濃度の高さです。インクの濃度が高さはホワイトインクの隠蔽性にも大きく関わります。ホワイトインクを下地として使用し、素材の色を隠す(隠蔽性が高くなる)ことで、インクのそのままの発色が可能となり、より高彩度・高画質に見せることが可能です。

またBD-8はプライマーという、素材にインクを定着させるためのインクも搭載されており、多種多様な素材にも印刷が可能です。UVプリンターは何にでも印刷ができると思われているのはプライマーインク搭載のUVプリンターが多いためです。
SC-V1050にはプライマーインクが搭載されていないため、BD-8をおすすめしております。

5. 画質の比較

大きく分けて「標準モード」と 「飛距離を出すためのモード(ディスタンスモード / WGモード)」 の2つの印刷モードがあります。
■標準モード:主に平面や凹凸の少ない素材に対して使用されるモードです。
■飛距離モード(ディスタンスモード / WGモード):印刷ヘッドと素材の距離がある素材、球体や曲面、厚みのある素材にも対応できるモードです。標準モードよりも印刷速度はゆっくりになります。

以下では、RolandDG BD-8とEPSON SC- V1050をそれぞれのモード・素材ごとに画質比較し、その特性を解説します。同データを印刷し、同照明下iphone14proで撮影した無調整の写真で比較していきます。

5.1 飛距離モード(ディスタンスモード / WGモード)での比較

飛距離モードは、ヘッドと素材との距離が広い素材に印刷する場合に使用します。

高低差(BD-8)BD-8
高低差(EPSON)SC-V1050

高低差5.5mmまでの段差への印刷性能を比較しました。
BD-8では5.5mmの段差はスペック内(6mmまでの高低差に対応)ですが、EPSON SC-V1050では、3mm以上の段差からミストが散ってしまいました。

ゴルフボール(BD-8)ゴルフボール(BD-8)BD-8
ゴルフボール(EPSON)ゴルフボール(EPSON)SC-V1050

同様にゴルフボールのような球体も、EPSON SC-V1050は大きな絵柄にすると端の絵柄のミストが飛び散ってしまうため、少し直径を小さくした絵柄で対応する必要があります。

5.2 標準モードでのアクリル印刷

アクリルは、キーホルダーやスタンドなど、UVプリンターで頻繁に使用される素材のひとつです。アクリルへの画質も比較します。

アクリル裏打ち(BD-8)BD-8
アクリル裏打ち(EPSON)SC-V1050

UVプリンターで画質を評価する場合は、「粒状感」「密着」「グラデーション」を比べると性能差を理解しやすいため、おすすめです。

粒状感/肌色の表現力

肌色_粒状感(BD-8)粒状感(BD-8)BD-8
肌色_粒状感(EPSON)粒状感(EPSON)SC-V1050

粒子状にザラザラした感じの画質のことを「粒状感」と言いますがBD-8では発生しませんでした。一方EPSON SC-V1050では粒状感が目立ち、肌色も赤味が目立つ傾向にあります。

グラデーション表現力

発色(BD-8)BD-8
発色(EPSON)SC-V1050

BD-8ではグラデーションの深みを表現できていますが、EPSON SC-V1050では全体的に濃淡が浅くディティールが表現できていません。

白の濃度

白濃度(BD-8)BD-8
白濃度(EPSON)SC-V1050

同じ室内照明の下で白濃度を比較しました。
こちらも、BD-8の方が白濃度も高い傾向にありました。
EPSON SC-V1050の方は多少透け感があり、表の絵柄が少し見えています。

密着

印刷直後にアクリルを重ねて保管した場合を比較しました。
SC-V1050の場合は印刷後、インクにタック感(ベタつき)が残りやすく、印刷物を重ねて保管するとインクがアクリルに貼り付いてしまい、剥がす際にインクが一緒に剥がれるトラブルが発生しました。このトラブルを避けるためには、板の間に紙を挟んで保管する必要があります。
BD-8ではこのようなトラブルは発生しませんでした。

5.3 標準モードでの合皮印刷

合皮(BD-8)BD-8
合皮(EPSON)SC-V1050

合皮は折り曲げることが多いため、インクの柔軟性が重要です。
どちらの機種も、折り曲げてもインク割れは発生しませんでした。

細線(BD-8)BD-8
細線(EPSON)SC-V1050

合皮は一見平面に見えても、表面にはわずかな凹凸があります。
BD-8の標準モードでは問題なく印刷ができましたが、
EPSON SC-V1050の標準モードではこのわずかな凹凸に対応できず、ミストが散ってしまいました。エッジが潰れてしまい、小文字は視認できませんでした。
また、ミストが飛散し、ピンク色のベタ部分に黒い汚れがついてしまいました。
アクリルやプラスチック板のような、真っすぐな素材以外を仕様する場合は、注意が必要です。

5.4 まとめ

BD-8は、飛距離モード でも 標準モード でも高い安定性と品質を発揮し、曲面や球体、アクリル、合皮といった多様な素材に対応できます。
一方で、EPSON V1050は素材によって画質や安定性にばらつきがあり、特に凹凸のある素材や球体では品質に課題が見られました。
UVプリンターを選ぶ際は、「使用する素材」 と 「求める印刷品質」 を明確にし、目的に合った機種を選ぶことが重要です。

6. 機種別おすすめユーザー

6.1 SC-V1050が向いている方

とにかく設備投資は安い方がよく、低コストの小型UVプリンターをお求めの方にはSC-V1050が適しています。また、EPSONのような知名度が高く聞いたことがあるブランドの方が安心感があると考える方や、どうしてもA4サイズで印刷がしたいという方にもオススメです。

6.2 BD-8が向いている方

SC-V1050よりも少し値段が高いですが、プライマーインクがあり、白インクの濃度や画質もよく、円筒形の商品にも対応できるため、これから多様な商品開発を検討される方、高品質なプリントグッズを販売したいと考える方にはBD-8がオススメです。
A5サイズではありますが、本格的な量産ではなく試作~数十個の少量生産に適したクラスであり、スマホケースやゴルフボールなどほとんどのグッズはA5以下のサイズに収まるため、A4サイズのパネル印刷などでない限り、面積はあまり問題になることがありません。

6.3 まとめ

EPSONのSC-V1050はコストを最重視するユーザーに最適なUVプリンターであり、Roland DGのBD-8は多様商材でビジネス展開を狙う顧客や品質重視の顧客に向いています。どちらのUVプリンターも、十分な性能を持っているため、企業の方針や目標に合わせて最適な機種を選ぶことが重要です。
価格の最適な提案は、大判比較.jpに直接ご相談いただくことも可能です。

7. さいごに

EPSONのSC-V1050とRoland DGのBD-8は、それぞれ異なる特性を持ちながらも、小型UVプリンター市場で強い存在感を示しています。それぞれの特性を理解し、自社のニーズに最も合った機種を選ぶことで、より効果的なビジネス展開が可能となります。

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