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インクジェット出力会社のニューノーマル時代の経営戦略「多角化経営」 〜コロナ危機からの脱却とこれからの成長〜
コロナ禍で先行きの見えないこの危機的状況を早期に脱却し、これまでとは全く異なる『ニューノーマル』な市場環境と加速する変化に対応していくためには、これまでの経営戦略や方向性そのものを抜本的に素早く修正し、自社を成長軌道に乗せるための戦略の立案と具体的アクションが求められています。
今回は、これからインクジェット出力会社が進むべき方向性や経営戦略について解説していきます。
コロナ禍で伸びた企業の特長
コロナ禍で業績が伸びた企業に共通する特長として多かったのが『事業の多角化』です。
事業の数が多いことでリスク分散ができているため、一つの事業が落ち込んでも他の事業で補填することができます。『多角化経営』は変化に非常に強い。ということが今回の経済危機で改めて証明されました。
ちなみに、当社フジテックスでは約十数年前より『100事業構想』という経営ビジョンを掲げて『多角化経営』を実践してきました。そして今回のコロナショック含め、過去のリーマンショックや震災など、いかなる経済危機においても一度も赤字を出さず、増収増益を実現し続けています。市場や顧客ニーズが目まぐるしく変化する現代に、会社の売上利益を安定的に伸ばし続けていくには『事業の多角化』は必要不可欠です。
つまり、この『多角化経営』こそがアフターコロナ時代に最適な経営戦略と言えます。
そもそも本業とは?
そもそも自社の『本業』とはなんでしょうか?本業を『創業事業』と捉えるか、もしくは『現在の収益事業』と捉えるかによってその意味合いは大きく変わってきます。
ちなみに、当社では『本業』の定義を後者で捉えており、自社の『本業』というのはその時々で常に変化していくべきと考えています。なぜなら、持続可能な経営をしていくためには、常に社会や顧客に必要とされる新事業を生み出し続け、変化に対応し続けていくことが何より重要と考えているためです。
事業のライフサイクル
事業には下記図のように『事業のライフサイクル』があります。
事業は創業期、成長期、成熟期、衰退期という段階を踏んで、いずれは衰退していくため創業事業だけに固執してしがみついていたら会社全体が衰退し、倒産してしまいます。
多角化するメリット
多角化経営を実装するメリットは下記3点です。
メリット①『変化に強い』
事業が複数あればリスクも分散されます。
仮にそのうちの1つが潰れてしまっても、他の事業でカバーすることができます。
メリット②『人が育つ』
事業が増えるということは、それだけ責任者のポジションも増えます。
やる気のある若手に責任あるポジションを任せて、実務経験をさせていくことで、事業を任せられる責任者や、新事業を創れる人材が必然的に育ちます。
メリット③『シナジー効果が期待できる』
新事業を増やすことで、そこで蓄積された新たなノウハウやネットワークが他の事業に相乗効果を生み出すようなケースも多々あります。
インクジェット出力会社でも事業を多角化していくことによって、出力物の仕事が増えていく可能性も非常に高いはずです。
リスクの少ない多角化の方向性
多角化を目指して新事業開発をする際、『これまでと全く違う革新的な事をしなければ。』と考えてしまいがちですが、決してそうではありません。むしろ全く新しい市場に新しい製品で参入する下記の図の④のようなやり方では、非常に難易度が高く、失敗に終わってしまうケースがほとんどです。
出来るだけ失敗リスク回避しながら新事業開発をしていくためには、共通の市場、『共通の技術や製品を軸に事業の多角化を進めていくことが非常に大切です。
つまり、下記の図の②や③の方向性から事業の多角化を検討していくべきです。
【インクジェット出力会社の多角化事例】
②新製品×既存市場
デジタル×アナログのマーケティングサービスを提供する『総合広告業』
③既存製品×新市場
これまでの印刷技術を活用し、多品種小ロット生産体制の『デジタルものづくり産業』
新事業3つの鉄則
鉄則①:顧客ニーズ
新事業を構想していく際に最も大事なことは『顧客ニーズに応えていく』ということです。当たり前のことではあるものの、意外とここがすっぽりと抜けてしまい、自社の売りたいものや、真新しいものを中心に新事業の展開を考えてしまいがちです。
鉄則②:自社の経営資源を活かす
市場には必ず競合他社がいるため、自社の強みや経営資源が活かせないフィールドでは、競合と差別化ができずに薄利ビジネスになったり、競合負けしてしまいます。
鉄則③:売り方まで考える
ここも意外と見落としてしまいがちなのですが、新製品や新事業を開発するのと同時に、
『売り方』の部分までしっかり考えておくことが重要です。限られたリソースの中で社会変化にスピーディーに対応し、事業の多角化を実装していくためには営業手法のDX化は必要不可欠です。
また、全てを自前主義のみでやろうとするよりも、他社との協業でうまくいくケースも非常に多いです。仕入先や人脈顧客とうまく役割分担して連携することで、バリューチェーンを構築していくようなやり方や方向性も検討していきましょう。
まとめ
コロナ禍の経済危機を乗り越え、変化の時代に自社を安定的に成長、発展させていくために『多角化経営』は非常に有効的な経営手法です。
「うちの会社では無理・・・。」「今は時期尚早・・・。」 等と言っていては、いつまでたっても会社は変われません。人、組織、事業の変革は数年単位の時間を要しますし、いよいよ余裕がなくなってから取り組みだしても手遅れになってしまいます。
組織慢性疾患の悪循環に陥ってしまわないためにも、世の中が大きく変わった今こそ強い意志と覚悟を持って、本気で変革に取り組んでいくべきです。
現状の延長に漠然とした危機感や変革の意志をお持ちの方は、ぜひ下記のオンラインセミナーをご視聴ください。これから進むべき方向性や事業の多角化について、より具体的な手法やビジネスソリューションとその採用事例を詳しく解説しています。
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